燭火礼拝の説教

20171224日 日本フリーメソジスト東住吉キリスト教会 クリスマス・キャンドルサービス 説教概要

聖書:ルカによる福音書 第2章8〜12節

題: 「なぜ日本でクリスマスか?」

 

T.はじめに

来年は戌(いぬ)年。この教会の前の道を、愛犬と一緒に歩く人をよく見かけます。日本全国で人と一緒に暮らしている犬と猫、どちらが多いと思いますか?つい最近の調査では、人に飼われている犬を、人に飼われている猫の数が初めて上回ったと聞きました。その理由の一つに、飼っている人が高齢化して、犬だと散歩に行くのが大変になって来て、猫を飼う人が増えたのではないかと考えられているそうです。ひとりで暮らすのはさびしいので、犬か猫を飼うという人も多いでしょう。どちらにするかというところにも高齢化の影響があるのだなあと興味深く感じました。「クリスマスなんて、なければいいのに」と思う人もあるそうです。家族や友だち、恋人と過ごすというイメージがあるからでしょうか、クリスマスで町が賑やかであればあるほど寂しさや孤独を感じる人もあるでしょう。そもそもクリスマスは西洋のお祭りのはずなのに、なぜ日本でもクリスマスなのでしょうか?

 

U.みことば

1.最初のクリスマス(ルカによる福音書 第2章8〜14節)

 クリスマスが世界各地で祝われるようになるきっかけの出来事は、いつ、どこで起きたのでしょうか?ヨーロッパやアメリカでしょうか。いいえ。それは、今から約2017年前のアジアです。最近のアメリカ大統領の宣言で注目されたエルサレムのすぐそば、パレスチナの人々がアメリカに抗議したと報じられたベツレヘムという町で起きた出来事です。

 それはどんな出来事か?その町の野原で羊飼いたちが夜、羊の群れの番をしていた時です。突然、天からの光が彼らをめぐり照らしました。USJかディズニーランドのアトラクションやショーのようです。夢と魔法の世界のおとぎ話のようで、現実とは思えないかもしれません。しかし、「皇帝アウグスト」とか「人口調査」とある通り(1)、これは当時の西アジアと地中海世界を支配していたローマ帝国の時代に現実に起きた出来事なのです。

「彼らは非常に恐れた」(9)というのは当然です。まず彼らを照らした光、そして、彼らへの声が響いてきます。天使が羊飼いたちにわかる言葉で告げたその内容は、何だったでしょうか。それは「すべての民に与えられる大きな喜び」「あなたがたのために、キリストと呼ばれる救い主が生まれた」という知らせでした(1011)。しかも、キリストは神殿や王宮ではなく、牛や馬が食べる干し草を入れる「飼葉おけ」(12)、高級できれいなベッドではなく、それほどきれいではない「おけ」に寝かされているという、夢もロマンもない現実的な知らせでした。それにしても、救い主の誕生が、どうして大きな喜びなのでしょうか。また、それはなぜ、夜だったのでしょうか。これらの謎は、救い主が誰のための、何のための救い主かと深い関係があります。

そして、天には数えきれないほどの軍隊が現われて、メロディーがあったかどうかわかりませんが、神様をほめたたえる「さんび」の声が羊飼いたちの耳に響いてきます(14)。ものすごい迫力、しかもその内容も忘れがたいものだったでしょう。栄光は無条件に神様に、そして、平和は条件つきで人々に与えられるという内容の「さんび」でした。その条件とは「みこころにかなう人々に」。平和は、神様の心にかなう人々に与えられるプレゼントだというのです。「みこころにかなう人々」とは、どんな人々のことなのでしょうか。

2.それがなぜ日本に(ルカによる福音書 第2章15〜20節)

 羊飼いたちを照らす光と彼らにわかる声、そして天の軍隊の「さんび」が終わり、またもとの暗い、静かないつもと変わりない夜の野原にもどった時、羊飼いたちはどうしたでしょうか。「疲れているから夢でも見たのだろうか」と、救い主に会いに行かず寝てしまう選択肢もありました。さきほどの天使の知らせには命令はありませんでしたから、彼らが「その出来事を見てこようではないか」(15)と野原からベツレヘムの町に出かけたのは、彼らが自分たちで選び、自分から進んで自由に決めたことだったのです。

 「そして急いで行って、」(16)とあります。「急ぎゆきて拝まずや」とのちほど歌うのはこの場面で、羊飼いたちが私たちに「一緒に行こう」と呼びかけるイメージの歌です。この時の羊飼いたちには締切の時間はなく、疲れていたはずなのに、何が彼らを急がせたのでしょうか。天使が告げた「すべての民に与えられる大きな喜び」(10)、実は羊飼たちは『聖書』にある昔からの約束を人から聞いていて、それが実現したという喜びが、彼らをベツレヘムへと急ぎ行かせたのではないでしょうか。彼らはついに、言われた通り、飼葉を入れる「おけ」に寝かしてある救い主を捜し当て会います。これこそがさきほどの「み心にかなう人々に平和があるように」(14)と言われた時の、神様の心にかなうという条件と言えます。つまり、救い主に会いに行く人こそが、神様の御心にかなう人です。

 「すべての民に与えられる大きな喜び」と言われた西アジアでの救い主の誕生の知らせは、アジアの東はしの日本にも届きます。公式には1549年にザビエルが鹿児島に来たことにより、短い期間に全国に広がっていきます。大阪の高槻の高山右近という大名もそのひとりでした。彼は救い主を信じ、キリシタンとなり彼が高槻に建てた教会には日本初のパイプオルガンも設置されたそうです、その後、明石に移り、小豆島でかくまわれ、金沢の前田利家に迎え入れられます。右近がいた時、金沢のキリシタンは1500人に達し、能登半島にも伝道に出かけ、金沢の教会でおおがかりなクリスマスの祝いが催されました。聖歌が夜空にこだまし、ミサが終わると右近は心を込めて招待客をもてなしたと言われているのは1608年。今から約400年も前に日本でもクリスマスが祝われていたのです。 

 

V.むすび

 今の日本のクリスマスはどうでしょうか。そして、今年のクリスマスを、あなたはどのような思いで迎えておられるでしょうか。最初のクリスマスの夜をマリヤは、「これらの事をことごとく心に留めて、思い巡らしていた」(19)と書かれています。クリスマスは年末と重なりますので、今年1を振り返って思いめぐらすのにもよい時です。「すべての民に与えられる大きな喜び」(10)と「み心にかなう人々に平和があるように」(14)とある通り、クリスマスは「喜びと平和」をいただく時です。それは、羊飼いたちのように、キリストと呼ばれる救い主イエス様に会いに行く人にだれでも与えられます。なぜなら、イエス様はのちにすべての人のために十字架にかけられ、神様に対する私たちひとりひとりの反逆罪の身代わりとなって死んでくださったからです。このイエス様を自分の生活に迎え入れる人には、神様との和解、神様との平和がプレゼントされ、人との和解もまた始まっていきます。イエス様は十字架で死なれ、3日目に復活されて今も生きておられ、私たちが心を開けばいつでもお会いできます。今の日本でもクリスマスの喜びと平和を自分のものできるのです。羊飼いたちのように、救い主に心を向けて過ごしましょう。

(:牧師 小暮智久)














































































































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